
拾われた不合格通知
この季節といえば、受験シーズンなのでしょうか。
誰でも受験には苦い思い出の一つや二つあると思いますが、私も例に漏れず、恥ずかしく苦い思い出があります。
それは、まだ私が18歳の冬のことでした。
ある日の夕方、小学校6年生の妹の同級生の男の子が「これ、○○ちゃん(妹の名前)の
おねーちゃん宛のハガキとちがう‥‥?」といって、学校の帰り道に落ちていた一枚のハガキを、わざわざ我が家へ届けてくれたのです。
妹からそれを渡された私は「まー、親切だこと」と思いながら、ニコニコと礼を言って受け取り、ハガキを見て愕然としました。
それは、な、な、なんと某大学からの「不合格通知」だったのです。
(その男の子が、不合格通知だとわかっていたかは不明)
ギャフン!
こんなもの、他人に拾われるだなんて‥‥!!!
私の不合格通知は、どうやら峠道に落ちていたみたいで、雪解けの水に濡れてヨレヨレになり、おまけに泥までついて、とてもみじめな姿で私のもとに届いたのでした。オヨヨ‥‥、ただでさえ、みじめなのに‥‥。
以下、その夜の私の家族の会話から。※()は私の心の声
父:「郵便屋さんが落としたんだろうなぁ。」
(当たり前だ、そうじゃなかったら犯罪だ)
母:「でも、これがもし合格通知だったら困ったで。
いつまでも拾われなかったら、入学手続きが遅れたかも知れんし。」
(そうだ、そうだ)
父:「でも、どうせ不合格通知なんだろ。」
(‥‥)
母:「あぁ、そうか‥‥。まぁ、不合格通知で良かったわぁ。」
(おいおい)